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パンデミック(感染爆発)

新型インフルエンザの流行(4)

2009年6月15日(月)

六反田.jpg 防衛医科大学名誉教授 六反田 亮

 前回の原稿を書いてから約90日経って、終息に向っていたと思われた新型インフルエンザの流行はまた新たな今日局面に入りました。現在の状況について改めて書いておく必要があると考えられますのでさらに追加しておきます。
 週別の感染者発生数は5月の中旬から下旬にかけて、小さなピークを示してから5月の終わりには最小となりますが(34人/週 各地方自治体における積極的な対策により減少)、以後次第に増加し続けています。しかも急激にと言っていい状態です。
8月19日までに沖縄県、兵庫県、愛知県で3例の死亡が報告されて、現在まで全国で12人の死亡者が報告されました(中には死因が新型インフルエンザとの関連性がわからないものもあります)。
 先ず世界の状況を見てみましょう
 世界的にも、すでに患者数の全数報告は中止となり、新たに感染が確認された国を除いては、定期的な報告は流行状況とリスクに関する指標のみとされているため、数字にはあまり意味はないと思われるが、8月13日時点では、世界で177国/地域から、182,166例の患者と1,799例の死亡が報告されています。
 南半球の温帯地域の国々では、ほとんどの国で初冬に急速な患者の増加があり、冬季が終わりに近づきつつある現在、減少傾向を見せつつありますが、依然としてウイルスの伝播は続いており、早期には感染があまりみられなかった地域での流行に移り変わりつつあります。これらの地域におけるインパクトはまだ評価中ですが、ほとんどの国では、人工呼吸管理を必要とする入院患者が増加し、通常の季節性インフルエンザよりも若干強いと報告されています。
 多くの国で軽症例は数えなくなっています。南半球の温帯では減少しつつありますが、南アフリカでは他の国々より減少が少し遅れています。
少し遅れて発生したオーストラリア、チリ、アルゼンチンでは国としては減少しつつありますが、まだ活発な感染が見られます。熱帯アジアのインド、タイ、マレーシア、香港ではモンスーンの季節に入るにつれて発生率は増加しています。
 コスタリカ、エルサルバドルに代表される中央アメリカの熱帯地方でも活発な伝播が見られます。
 南半球の温帯地域(北アメリカ、ヨロッパではトータルの発生率は減少していますが、アメリカの3つの州やヨロッパのいくつかの国でウィルスの高い活性が見られます。
 冬の季節が終りつつある南半球の温帯地域では、H1N1が流行し始めると、H3N2のような季節性の株の重要性は急速に低下し、新型H1N1が優勢な株になったことは注目すべきです。いくつかの季節性H1N1株が報告されていますが、季節性H3N2よりはるかに少ない。北半球の来るべき流行の季節に、このような多数の株が共に流行することが続くかどうかは分かりませんが、冬の初期には新型H1N1が優勢なインフルエンザウィルスであることは間違いないでしょう。
 オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、アメリカ合衆国を含む多くの国で、国民にインフルエンザに関連する重篤な疾患の危険が増加するであろうことが危惧されています。

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